はじめに
「子どもが小さいうちは大変だから、もう少し大きくなったらゆっくり旅行しよう」──そう思っているうちに、気づけばスケジュール帳は学校行事や習い事で埋まり、家族全員がそろう週末が激減していきます。実は“家族で自由に旅ができる黄金期”は想像よりも短いのです。本稿では、データと実感の両面からその理由を紐解き、限られた時間を最大限に活かすヒントを紹介します。
データが示す“子どもと旅する黄金期”
- 国内宿泊旅行の平均回数は年間 2.26 回/人という調査結果があります。旅行好きの家庭でも、年間に家族で過ごす宿泊旅行は数えるほどしかないのが現実です。(jtb.or.jp)
- ベネッセの保護者アンケートでは、「今でも家族旅行に行っている」と回答した13~15歳の家庭は約69%。一方で、中学生になると「部活や塾を優先して家族旅行に行けなくなる」という声も増え始めます。(benesse.jp)
つまり、小学生の間に確実に家族旅行へ行ける“夏休み”は、実質あと数回──とても貴重なリソース。
中学生になると何が変わる?
- 部活動・クラブチームの遠征
週末や長期休暇に大会・合宿が入り、家族全員の予定を合わせにくくなります。 - 塾・受験対策
中学受験が終わっても、高校受験や定期テストに向けて塾の講習が組まれがち。 - 友だち優先のフェーズ
思春期に入り、家族より友だちと過ごす時間を選ぶケースが増加します。
こうした要因が重なり、“家族だけ”でまとまった日程を確保できる機会は劇的に減少します。
海外でも注目される「18 Summers」
英語圏の子育てコミュニティでは、“18 Summers(子どもと過ごせる夏は18回だけ)”という考え方が広まっています。子どもが高校卒業で巣立つまでに、家族全員で迎えられる夏は18回しかない──カレンダーにすると驚くほど少ない数字です。(mother.ly)
日本でも高校進学と同時に部活や受験勉強が本格化するため、“家族だけの夏休み”は実質12〜15回程度と言われることもあります。
限られた時間を最大化する3つのヒント
1. 先に“旅の仮予約”を入れる
学校行事カレンダーが出たらすぐ、祝日や三連休を中心に**“家族旅行ブロック”を確保**。航空券やホテルはポイント予約ならキャンセル無料のことも多いので、予定が変わっても痛手は最小限です。
2. ポイント・マイルで繁忙期もコストダウン
夏休み・年末年始の旅費は高騰しますが、特典航空券やホテルの無料宿泊なら価格変動に左右されません。計画段階からマイルやホテルポイントを活用すると、家計のハードルが下がり“行ける回数”を増やせます。
3. 「旅育」の視点で子どもの“好き”を盛り込む
期間が限られるからこそ、子どもがその年齢で興味をもっているテーマ(恐竜・宇宙・歴史・自然体験など)を行き先に組み込むと、学びと感動の両方を最大化できます。
まとめ:来年ではなく“次の祝日”から計画を
家族旅行のチャンスは、スケジュール帳の空白よりはるかに少ない“数えるほど”の回数しかありません。「また今度」は、いつの間にか訪れなくなるかもしれません。子どもと過ごせる一瞬一瞬を大切に、まずは次の連休から旅の計画を立ててみませんか?
参考文献
- 観光庁「旅行・観光消費動向調査」(日本交通公社『旅行年報2024』より)(jtb.or.jp)
- ベネッセ教育情報サイト「いつまで家族旅行に行く? 子どもの年齢別アンケート」(benesse.jp)
- Motherly “We only have 18 summers together with our kids.” (2018)(mother.ly)
このコラムは、子どもとの貴重な時間を“旅”という形で残したいと願うすべてのご家庭に向けて書きました。自由に引用・シェアいただけますが、転載の際は出典を明記してください。
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